公認心理師試験対策!精神保健福祉法の入院形態について

こんにちは。

今日は、精神科の入院形態について書きたいと思います。

公認心理師試験だと、「関係行政論」で出題される可能性がある分野です。過去にも出題されています。過去任意入院や医療保護入院、措置入院と、馴染みのない方には頭が痛くなりそうな文字が並びますね。

要点を、イメージがしやすくなるようにまとめられたらと思いますので、どうぞよろしくお願いします。まずは入院形態の一覧を載せます。この表を見ながら、それぞれの特徴をおさえていきたいと思います。

任意入院について

任意入院とは、本人の同意を得て入院する場合の形態です。精神疾患の重度は関係なく、自傷他害のおそれがない場合です。厚労省の資料によりますと(平成25年)、精神科の入院の5割を占める形態で、医療保護入院より若干多くなっています。人権的にも、本人の同意を得ての入院をしてもらうことが好ましいです。

また、精神科の病棟には「閉鎖病棟」と「開放病棟」があるのですが、任意入院の場合は基本的には開放病棟に入院することになります。任意入院は、唯一本人の同意が得られている入院形態です。開放病棟への入院も任意入院ならではのことです。

一方、本人の同意が得られない入院(医療保護入院、措置入院等)の場合は、病棟の入り口に鍵がついており、医療者の付き添いがないと出入りが制限されている「閉鎖病棟」へ入院することになります。任意入院も、本人が希望すれば閉鎖病棟に入院することもできます。

閉鎖病棟、と聞くと、鉄格子のようなものを想像する方がいらっしゃるかもしれませんが、外から見たら普通の病棟と変わらないように見えます。私が知っている病院は、病棟の入り口が二重扉になっていましたが、外側が透明で、内側はすりガラスのようになっていました。もちろん、割ろうとしても割れない素材でできていますが、重々しい感じではありませんでした。入院中に、外に出たくなり体当たりをしたり、蹴っている方を見たことはありますが、扉が割れたり壊れたことはありません。

また、入院時の診察が精神保健指定医である必要がありません。精神保健指定医以外だと、特定医師が診察をしています。

治療については病状に合わせて行うため、他の入院形態と異なる部分はないと言えると思いますが、違うのは、基本的に本人の希望で退院できることです。

もちろん、病状的に退院が好ましくない場合もあります。その場合は、医師の判断で退院を72時間(特定医師の場合は12時間)に限り制限することもあります。

特定医師は、医籍登録後4年以上を経過していること。また、2年間以上の精神科臨床の経験を有していることが要件となります。

医療保護入院について

医療保護入院は、入院の必要はありつつも、本人の同意が得られないケースです。未成年の子どもの入院も自傷他害のおそれがない場合は基本的には医療保護入院になります。

措置入院になるケースのように自傷他害の危険性は低いけれど、本人に病識がなかったり、治療の必要性を理解してくれなかったりする場合は医療保護入院になります。例えば、双極性障害の治療中の男性の病状が悪化し、躁状態の時に短期間で高額な商品をたくさん購入し、妻が困り果てているケースがあるとします。妻が主治医に相談し、ご本人は入院を拒否したとしても、主治医が入院治療の必要性を感じ、妻が入院に同意すれば医療保護入院となります。

医療保護入院の同意要件についても試験に出たことがあります。法改正に伴い、重要な改正がされている部分なので、ぜひおさえておきたい部分です。前回の記事に書いていますので、よかったらご参照下さい。

措置入院・緊急措置入院について

措置入院で特徴的なことは、「精神疾患があり」かつ「自傷他害のおそれがある」事例であることです。そしてそのおそれがなくなるまでは措置入院を解除できません。

自傷とは、致死性の高さ低さに関わらない自殺企図や自殺の意思表示を含みます。また、他害とは、他人に対する暴力や器物破損、触法行為に相当する迷惑行為などです。

自傷他害のおそれがある場合は、都道府県知事の権限で本人の同意が得られなくても強制的に入院となります。そのため、人権が守られているか、病状はどうなのか、入院が適しているのか等、慎重に検討する必要があります。その判断となるのが精神科で経験を積んだと認められている「精神保健指定医」2名の診断で、2名の診断が一致していることが入院要件となります。

精神保健指定医についてはこちらの記事をご参照ください。

かなり厳格に判断しており、措置入院は他の入院形態に比べ、入院数はかなり少ないです。(上記グラフ参照)

入院時の状況ですが、ある研究では、以下のように書かれています。

2015年の調査時では、措置入院時の ICD-10 による 精神科主診断内訳は統合失調症圏が 187 人 (59.0%)と最も多く,以下,気分障害(55 人, 17.4%),アルコール・薬物関連障害(F1:22 人, 6.9%),器質性精神障害(F0: 14 人, 4.4%), パーソナリティ障害(F6: 13 人, 4.1%),発達 障害(F8: 11 人, 3.5%),精神発達遅滞(F7: 7 人, 2.2%),神経症性障害(F4: 5 人,1.6%), 行動・情緒障害圏(F9: 3 人, 0.9%)

「措置入院者の実態把握と必要な医療密度に関する研究 その1(1)措置入院となった精神障害者の治療転帰に関する前向き コホート研究:措置入院中の精神障害者の社会機能に関する検討」より

緊急措置入院と措置入院の違いは、入院時に診察をした精神保健指定医の人数があげられます。

措置入院は2名の診察、緊急措置入院は1名の診察です。

これは、入院が必要な緊迫した状況の時に、精神保健指定医2名が病院に在籍しているとは限らないため、要件を緩和するために緊急措置入院が取れるようになったそうです。

例えば病院が、夜間に措置入院相当の自傷他害のおそれのある方が警察に保護されたと連絡を受けたとします。病院によっては、夜間の当直が精神科医1名体制のところもあります。そのような状況の時は、2名の診察という要件を満たさないため措置入院はできませんが、緊急措置入院をすることができます。ただし、緊急措置入院の場合は72時間と言う制限がありますので、その期間内に入院形態の見直しをするか、退院をすることになります。

応急入院について

応急入院は、以上のどれにも当てはまらない場合です。

入院が緊急で必要な方で、しかし自傷他害の緊急性はなく、かつ家族と連絡がつかない方、と言うイメージでしょうか。もし家族と連絡がつかなくても、本人の住所が分かれば、市町村長の同意を得られれば医療保護入院になるため、本人の身元が分からないケースもここに含まれます。措置入院同様、応急入院も入院数の少ない形態です。

試験対策として

  • 入院形態の名前?
  • 本人の同意の有無?
  • 自傷他害のおそれがあるときは?
  • 精神保健指定医の診察は必要か?
  • 精神保健指定は何人の診察が必要か?
  • 入院期間に制限はあるか?(何時間か?)
  • 入院の割合(何入院が一番多くて、何入院が少ないか?)

以上を整理すると良いかと思っています。

ややこしいですが、何回も表を見て頑張ろうと思います。

今日もお疲れ様でした!

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公認心理師試験対策!精神保健福祉法の入院形態について” に対して3件のコメントがあります。

  1. ぺんこ より:

    特定指定医と精神保健指定医が出てきましたが、しっかり区別して理解していかないとですね。ありがたいございます。

  2. ぺんこ より:

    特定医師は、医籍登録4年以上。または2年間以上精神科臨床経験からあることが条件となっていました。

    精神保健指定医は、5年以上診断治療に従事。三年以上精神障害の診断治療に従事などとありますが、ケースレポートはどのくらい出さないといけないんですかね。試験には出ないかもしれませんが、ちょっと気になる内容でした。

    1. もぐもぐ より:

      ぺんこさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。
      精神科医のなかにも特定医師と精神保健指定医とあるなんて、驚きですよね。
      精神科に勤務していた時は、身体拘束や隔離が必要になりそうな患者さんの気配を感じると、その勤務帯にいる精神保健指定医が誰なのか、どこにいるのかそわそわすることもありました。精神保健指定医は、心強い存在でした。

      ケースレポートについて、こちらの記事に追記させていただきました。
      https://hugkuma.info/2020/07/17/公認心理師試験対策!精神保健指定医について/

      提出が必要なケースは、5分野5事例らしいです。
      また、症例の分野以外にも措置入院や医療保護入院など要件があり、ややこしくて説明ができそうになかったので厚労省の資料を貼らせて頂きました。

      よかったらご覧ください(^^)
      どうぞよろしくお願いいたします。

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