第3回公認心理師試験のふりかえり:問2 緊張病(カタトニア)
第3回試験問題を振り返り、医療・産業系を中心に、勉強し直そうと思います。正式な回答・解説が出る前のひとりごとのような文章です。間違っていたら申し訳ありません。
問2 統合失調症の症状が増悪したクライエントへの公認心理師の介入について、適切なものを1つ選べ
①症状増悪時は、心理的支援を行わない。
②幻聴に関して、幻覚であることを自覚させる。
③緊張病性昏迷では、身体管理が必要となる可能性があることを家族に伝える。
④作為体験によるリストカットは、ためらい傷程度であれば特に緊急性はない。
⑤服薬を拒否するクライエントに対して、薬は無理に服薬しなくてよいと伝える。
答えは③とする回答速報が多いです。
キーワード:緊張病性昏迷
緊張病(カタトニア)は統合失調症だけでなく、気分障害や脳炎など他の疾患でも認められることがあります。基本的な生活活動(食事・休養・清潔動作など)ができなくなるため、身体的なケアが必要となります。そのため多くの場合に入院治療が必要です。源疾患に関わらず、一定の治療方法が有効とされています。
症状
基本症状:昏迷・興奮
- カタレプシー:同じ姿勢を固持する。極端な場合は、蝋人形を変形するように患者に不自然な姿勢をとらせることもできる。(蝋屈症)
- 反響現象(反響言語・反響動作):相手の言葉をオウム返しする・相手の動作を反復する。
- 常同症:同じ動作をつづける。
- 拒絶症:態度や行動で拒否を示す。
- 無言症:自発的にも誰かに話しかけられても一言も話さない。
- 不自然な動作:しかめ顔、ひそめ顔など、あからさまに不自然な態度を見せる。
治療
抗精神薬など薬の副作用の可能性もあるため、薬の調整を行う。
緊張を緩和するため、第一選択薬は抗不安薬のベンゾジアゼピン系となる。
問題関係ないけど…注意!
カタレプシーとカタプレキシー
緊張病の症状であるカタレプシーと、カタプレキシーは名前が似ていますが違う症状です。過去にも出題されていたことがありました。間違いやすく、覚えにくいので注意したいですね。
カタプレキシーもしくはカタプレクシー(cataplexy)とは、喜怒哀楽、恐れや羞恥といった過度の情動刺激(感情の高ぶり)により発生する発作症状。日本語名で情動脱力発作。ナルコレプシー(居眠り病)の患者が副症状としてカタプレキシーを併発するケースが多い。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/カタプレキシーより引用
覚え方
- カタレプシー(5文字)は姿勢固持(しせいこじ:5文字)、カタトニア(5文字)
- カタプレキシー(6文字)はナルコレプシー(6文字)
…どうでしょう?
<参考資料>
- COMHBO地域精神保健福祉機構.統合失調症・妄想性障害・緊張病.
- 精神医学マイテキスト.武田雅俊監修.株式会社金芳堂発行.2014年4月改定第2版第1刷.