公認心理師試験対策!ラザルスのストレス理論

ラザルスのストレス理論

  • ストレッサーとストレス反応を媒介するものとして、認知的評価コーピングを重要視されている。
  • コーピングを「自分に負荷をもたらすと判断された外的・内的な圧力に打ち勝ったり、それを減少させたり、受け入れたりするための認知的あるいは行動的な努力」と定義した。
  • ストレッサーに対する認知的評価は、1次評価2次評価があるとしている。
  • 1次評価:ストレッサーが自分にどれだけの害をもたらすか、脅威になるか?
  • 2次評価:ストレス反応を軽くする方向にコントロールできるか?対応を評価。
  • 認知的評価により、解決が難しそうなストレッサーと認識すると、負担を感じるため心理的・身体的な反応が出現する。
  • 認知的評価の後に、コーピングが出現する。
  • ストレス反応がのちに問題行動や心身疾患となる。
  • 上記のように、認知的評価とコーピングの相互作用によってストレス反応が生じるモデルを、「トランスアクショナル・モデル」と言う。

コーピングについて

コーピングには、「問題焦点型コーピング」と「情動焦点型コーピング」があります。

問題焦点型コーピング

  • 問題解決を目的としたコーピング。
  • ストレッサーを取り除くことを目的とする。
  • 課題解決に直結するため、好ましいコーピングとされている。
  • 例:夫婦で喧嘩をした時に、自分から謝って良好な関係を取り戻そうとすること。住まいの周辺が騒音がひどくイライラしがちだったので引っ越しをする。等

情動焦点型コーピング

  • 情動興奮の低減を目的としたコーピング。
  • ストレッサーによって生じた怒りや不安などの情緒を安定させることを目的とする。気分や感情の変化を目的とする。
  • 問題解決型コーピングが困難な時にはより実施しやすいコーピングとなる。
  • 例:夫婦喧嘩でイライラして酒を飲む。リラクセーション(深呼吸、アロマテラピー、瞑想など)趣味を楽しむこと。

ソーシャルサポート(ストレス反応の緩和要因)

ストレスを感じている人の周囲からのサポートをソーシャルサポートと言います。

ソーシャルサポートを提供する人としては、配偶者、家族、友人、医師などの健康管理のプロなどです。仕事上のストレスは、上司や同僚のサポートが重要と言われています。

ソーシャルサポートは、4種類に分類されます。

1、情緒的サポート

  • 情緒の安定を目指す。
  • やる気を起こさせる。
  • 声をかける、慰める、励ます、真摯に受け答えをする等、傾聴的・共感的なサポートです。

2、情報的サポート

  • 問題解決に役に立つ情報を与えます。
  • アドバイス、指示によって解決法を与えることも含まれます。
  • 問題が生じた後だけでなく、予防的に忠告をすることもサポートです。
  • 問題解決を間接的に進めます。
  • 研修を行うことや、専門家の紹介

3、道具的サポート

  • 直接的に問題解決をサポートします。
  • 多量の仕事を一緒に行ったり、新たな資源を投入したりすること、金銭的サポート、人員の増員も含まれます。

4、評価的サポート

  • 自己評価を高め、心理的な安定をサポートします。
  • 適切な評価をすることで自信を持つことができ、今後のことについて積極的になることができます。

未来へのコーピング プロアクティブコーピング

  • シュワルツァーによって提唱された、ポジティブコーピング。
  • 過去の、生じてしまったストレスに対するものではなく、これから生じうるストレッサーへのコーピング。
  • 「目標達成や、自分自身の成長を促進させるための努力」とも言われます。
  • 起こりうるストレッサーを、ネガティブに評価せず、自己成長の機会とみなして対処することで、不安を軽減できる。
  • 例:就活生が転職活動の様々な場面を想像し、シュミレーションをしたり情報収集をして今後に備えること。

<参考文献>

  • 公認心理師必携テキスト.福島哲夫編集.株式会社学研メディカル秀潤社発行.2018年5月.初版第4刷.
  • メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキストⅡ種ラインケアコース.大阪商工会議所編集.株式会社中央経済社発行.2017年2月.第3版第164刷発行.

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)