公認心理師試験対策!レム睡眠とノンレム睡眠・脳波について

レム睡眠とノンレム睡眠

レム睡眠

  • Rapid  Eye  Movement (日本語では「急速眼球運動」と訳される)」の頭文字をとってREM睡眠と言う。
  • 起きている時と脳波が近い状態にあり、浅い眠りの時。
  • 「逆説睡眠」「賦活睡眠」とも呼ばれる
  • 目がキョロキョロ動く
  • 筋緊張が低下する(体はリラックスした状態)
  • 夢を見る
  • 記憶の整理をしている
  • 脈拍・呼吸・血圧等が変化し、不安定な状態(男性は勃起も伴う)

ノンレム睡眠

  • Non−Rapid Eye  Movement からノンレム睡眠と呼ばれる。
  • 急速眼球運動を伴わない深い睡眠。
  • 徐波睡眠とも言う。
  • 入眠直後に現れる深い眠り。「脳の眠り」とも。
  • 夢はほとんど見ない。
  • 脳は休んでいるが筋肉の活動は休止しない
  • 体温は低くなり、血圧も低下、呼吸・脈拍は少なくなる。
  • 脳波によって4段階に分けられる。
ノンレム睡眠の脳波
  • 第一段階:α波
  • 第二段階:θ波(時々β波)
  • 第三段階:δ波
  • 第四段階:δ波

睡眠のサイクルについて

睡眠周期(ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまで)は80分から110分。一晩に4〜5回繰り返します。

睡眠は深いノンレム睡眠(第三・四段階)から始まり、朝方に向けて徐々に浅いノンレム睡眠(第一・二段階)が増えて行きます。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-002.html

脳波について

  • γ波(ガンマ派):26〜70Hz。集中している時や、興奮している時に大きくなる。「高次精神活動時」
  • β波(ベータ波):12Hz以上。脳が活動をしている時に大きくなる。ストレス波とも呼ばれる。
  • α波(アルファー波):8〜13Hz。目を閉じてリラックスしている時に大きくなる。副交感神経系の活性時に出現する。脳の萎縮がみられる高齢者などでは周波数が減少する。
  • θ波(シータ派):4〜8Hz。眠りそうなまどろんでいる時に大きくなる。成人の場合、覚醒時には出現しない。認知症との関連あり。
  • δ波(デルタ派):1〜4Hz。深い睡眠時に現れる。ノンレム睡眠のステージ3・4で検出される。

睡眠のメカニズム

体温・メラトニン・副腎皮質ホルモンのそれぞれの働きで眠りを誘発したり、覚醒を促したりしています。

1.体温

私たちの体は、自然に体温を調整しています。活動している日中は、脳の温度を高く保ち、夜間は体から熱を逃して、脳を覚ましています。(熱放出と言います)

赤ちゃんが寝る前に手足が暖かいのは、熱放出をしているためです。足は、熱を調整する役割もあります。(そのため寝るときは靴下は履かない方が良いと言われています。体温を下げるのを阻害して入眠の妨げになります。)

もし、入眠がスムーズでないと感じたら、頭を冷やすことも有効です。アイスノンを利用することで、脳の温度を下げて睡眠を促すこともできるとされています。

体が冷えて眠れなくなるのでは?と思う方もいるかもしれません。先行研究では、頭を冷やすだけでは抹消の体温や直腸温には影響を与えなかったと報告されています。頭だけを冷やすことで、急激な体温の低下は起きず、睡眠の邪魔はしないようです。

生理前の女性が眠気が強いのも、体温に原因があります。生理前の女性は体温が高くなるため、夜間の脳の温度の低下が十分でないと言われています。十分な体温の低下がないと、睡眠の質も低下しやすく、日中の眠気が強くなってしまいます。生理前の女性も頭を冷やしてみると質の良い睡眠が取れると思います。ぜひお試し下さい。

2.メラトニン

メラトニンは、体内時計ホルモンとも呼ばれています。間脳の松果体で分泌されています。メラトニンが分泌されると、入眠が促されます。

メラトニンは明るい光の下では分泌が停止します。静臥して熱放散を促し、メラトニン分泌を妨げないように消灯をした暗い部屋で休むことは、睡眠をサポートする生理機能の力を最大限に引き出す上でも大事なことです。

3.副腎皮質ホルモン

朝方になると分泌が始まります。副腎皮質ホルモンは覚醒作用があります。

睡眠の量の不足・質の低下で起こること

  • 脳への影響:集中力の低下、注意の維持困難。記憶・学習能力の低下
  • 心の健康への影響:感情制御機能の低下。創造性・意欲の低下。
  • 身体の健康への影響:免疫力の低下。循環器系機能の低下。身体回復機能の低下。運動能力の低下。生活習慣病の増加。
  • 行動への影響:朝食欠食。遅刻・欠席の増加。居眠り、事故・ケガ

DSM−5での睡眠の問題の分類※詳細は別記事に書きます。

睡眠−覚醒障害群
  • 不眠障害:眠ることができない障害
  • 過眠障害:寝過ぎてしまう障害
  • ナルコレプシー:眠気をコントロールできない障害
  • 呼吸関連睡眠障害:睡眠中の呼吸状態の悪化が原因で起こる睡眠障害
  • 睡眠時随伴症群:睡眠中や覚醒と睡眠との境目で望ましくない身体現象が起こる症候群。

<参考資料>

  • 眠りのメカニズム.e−ヘルスネット.厚生労働省.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-002.html
  • 睡眠時の頭部冷却が黄体期における日中の眠気に及ぼす影響.濱西誠司.ヒューマンケア研究学会誌.9巻2号.2018年3月.p19−23.
  • 精神医学マイテキスト.武田雅俊監修.株式会社金芳堂発行.2014年4月改定第2版第1刷.

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)