関係行政論:障害者総合支援法について
障害者総合支援法(旧:障害者自立支援法)
- 2005年 障害者自立支援法成立①
- 2006年 施行
- 2013年 法改正、障害者総合支援法に名称改称②
①障害者自立支援法について
- 身体・精神・知的等、障害の種別ごとに縦割りされていたが、障害の種類に関わらずサービスを受けられるよう、仕組みを一元化した。
- サービス提供主体が県と市町村に分かれていたが、利用者にとってより身近な市町村がサービス提供者となるようにした。
- 支給決定のプロセスが不透明だったため、支援の必要度に応じてサービスが利用できるように障害程度区分が設けられた。支給手続きは、市町村審査会における審査を受けた上で支給決定を行うなど、支給決定のプロセスの明確化・透明化が図られた。
- 働きたい障害者への就労の場を提供する支援が十分でなかったため、就労支援を強化した。
- 利用者にも、利用したサービス量に応じて費用を負担してもらう。(1割の定率負担と所得に応じた月額負担上限額の設定)
②障害者総合支援法の施行
障害者自立支援法での、サービス利用者の自己負担をめぐって違憲訴訟などが繰り返された結果、2013年に障害者総合支援法が施行された。
障害者の定義に難病等を追加し、平成26年4月1日から、重度訪問介護の対象者の拡大、ケアホームのグループホームへの一元化などが実施された。
この法律ではサービス対象から外されてしまいがちな発達障害を対象とした「発達障害者支援法」が2005年に施行されている。
発達障害者支援法
- 2004年成立
- 2005年施行
目的
- 発達障害者の心理機能の適正な発達及び円滑な社会生活の促進のために、できるだけ早期に発達支援を行う
- 切れ目なく発達障害者の支援を行う
- 発達障害者が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活や社会生活を営むことができるよう国及び地方公共団体の責務を明らかにする
- 以下を図り、すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資すること
- 学校教育における発達障害者への支援
- 就労の支援
- 発達障害者支援センターの指定
この法律における「発達障害」とは
自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
注:知的障害は含まれない!
この法律における「発達障害者」とは
発達障害がある者であって発達障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限を受けるものをいい、「発達障害児」とは、発達障害者のうち18歳未満のもの。
この法律における「社会的障壁」とは
発達障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。
この法律において「発達支援」とは
発達障害者に対し、その心理機能の適正な発達を支援し、及び円滑な社会生活を促進するため行う個々の発達障害者の特性に対応した医療的、福祉的及び教育的援助をいう。
<参考文献>
- 障害者福祉.障害者自立支援法のあらまし.厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/aramashi.html
- 発達障害者支援法.文部科学省.https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/1376867.htm