正の強化 正の罰 負の強化 負の罰

オペラント条件付けとは?

ある行動により好ましい結果が得られた時に、その行動は強められ、好ましくない結果になったのであればその行動は弱められる法則。

代表的な実験

  • スキナー箱の実験:ネズミがレバーを押すことによってエサが得られると、レバーを押す行動が増加する。
  • 実験箱は先行刺激
  • ネズミがレバーを押す行動はオペラント行動
  • エサは強化子(強化刺激) となっている。

4種類の行動随伴性

オペラント行動の自発頻度の変化と、その直後の環境の変化を行動随伴性と言い、行動随伴性には次の4種類があります。

  1. 正の強化
  2. 正の罰(弱化)
  3. 負の強化
  4. 負の罰(弱化)

この4つは、好子・嫌子が出現したか消失したか、また行動は増加したか減少したかによって種類が分けられます。

正なのか負なのか?

好子または嫌子が出現することを「」、消失することを「」と呼びます。

  • 好子とは、強化子とも呼ばれます。ある行動の直後に出現し、以降のその行動の頻度を増加させる刺激のことです。例えば、おやつやお金、動物で言うとエサなどです。
  • 嫌子とは、行動の直後に出現して、以降その行動の頻度を減少させる刺激のことです。例えば、怒られることやケガなど痛い思いをすることなどです。

「正」になるのは上記が出現することなので、おやつをもらえたり、褒められる体験をすること、また怒られることもこれにあたります。

「負」になるのは、上記が消失することなので、楽しみにしていたお菓子を取り上げられること、給与を減額されることなどがこれにあたります。

強化なのか罰(弱化)なのか?

好子・嫌子によって行動が増加することを「強化」、減少することを「罰(弱化)」と呼びます。「罰」と言うと良くないことを与えられる印象を受けて、分類が分かりにくくなる印象があるので、「弱化」と覚えると行動が減ることをイメージしやすくなるかもしれません。

正の強化

好子の出現で行動が増える。「報酬訓練」とも呼ばれる。

応用行動分析モデル(ABA)のトークンエコノミー法はこの原理を応用しています。トークンエコノミー法は、望ましい行動をした時に強化子(子どもの場合、シールなど)を与えて、その行動を強化する方法です。

  • お手伝いしたので飴を与えたら、またお手伝いするようになった。
  • 犬がお手をしたのでエサをあげたら、お手をする回数が増えた。

正の罰(弱化)

嫌子の出現で行動が減る。「罰訓練」とも呼ばれる。

  • つまみ食いをしたら母親に怒られたのでつまみ食いをしなくなった。
  • 道路を裸足で歩いたら足を怪我をしたので裸足で歩かなくなった。

負の強化

嫌子の消失で行動が増える。「逃避訓練」とも呼ばれる。

  • お手伝いをしたので禁止していたゲームをやらせた(禁止を除去)ら、お手伝いをする頻度が増えた。
  • 頭痛で気分が悪いので薬を飲んだら楽になったので、頭痛時に薬を飲むようになった。
  • たばこを長時間吸わないと離脱症状が出て不快になるが、喫煙すると症状が消えるのでタバコをまた吸う。
  • スピード違反で罰金を取られたので、安全な速度を守るようになった。(罰金=お金の消失=好子の消失により安全な行動が増えた)※こちらの例は正の罰、負の罰の可能性も考えられるため、何に該当するか調べ中です。

負の罰(弱化)

好子の消失で行動が減る。「オミッション効果」とも呼ばれる。

応用行動分析モデル(ABA)のタイムアウト法に応用されています。

タイムアウト法は、例えば問題行動ある子どもを一定時間、小さな部屋などにいてもらい、クールダウンをはかり、問題行動を減少させる方法です。

  • いたずらしたのでおやつを取りあげたら(好子の除去)いたずらをやめた。
  • 業務上問題行動を起こしたが、給与が下げられたので、問題行動が減った。
  • 食事中に子どもが歩き回るため、デザートをなしにしたら歩き回るのをやめた。

公認心理師試験 過去の出題

過去問では、例題に対し、4種類の行動のどれに当てはまるかを問われる問題がありました。その時は、逃避訓練が正解でした。正の強化、正の罰はイメージしやすいのですが、負の強化、負の罰の違いに混乱することがあります。ここは問われやすと思うので、具体例も併せて覚えたいところです。

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正の強化 正の罰 負の強化 負の罰” に対して2件のコメントがあります。

  1. learner より:

    サイトを参考に勉強しております。

    「スピード違反で罰金を取られたので、安全な速度を守るようになった。」
    負の強化に含まれているこちらの例ですが、正の罰ではないですか?

    お手数ですが、ご教示いただけると幸いです。

    1. もぐもぐ より:

      コメントありがとうございます。
      スピード違反の事例は、「罰金を取られた」=好子(お金)の消失=負の、「安全な速度を守る」=良い行動の増加=強化
      という解釈で、負の強化の事例として書きました。
      しかし、負の罰(お金の消失=好子の消失=負、スピードを出しすぎる行動の減少=弱化)
      正の罰(取り締まり=嫌子の出現=正、スピードを出しすぎる行動の減少=弱化)
      ともとれますね・・・
      良い事例ではなかったかもしれません。
      もう少し調べてみて、分かったら共有させていただきます。
      ご指摘ありがとうございます。

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