下垂体前葉?後葉?下垂体ホルモンの覚え方
下垂体は、間脳に分類される視床下部の下に位置しています。
様々なホルモンが分泌されており、生命活動には欠かせない役割を担っています。
下垂体は前葉と後葉に分かれています。後葉は視床下部と連続していますが、前葉は離れています。下垂体門脈がホルモンを前葉に運んでいます。
前葉から分泌されるホルモン
- 成長ホルモン
- 甲状腺刺激ホルモン
- 副腎皮質刺激ホルモン
- 性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン、黄体刺激ホルモン)
- プロラクチン
覚え方
成長したら幸福性だから前のプロ、楽チン!
- 成長:成長ホルモン
- 幸:甲状腺刺激ホルモン
- 福:副腎皮質刺激ホルモン
- 性:性腺刺激ホルモン
- 前:前葉
- プロ、楽チン!:プロラクチン
ホルモンの働き
- 成長ホルモン:骨や筋肉の成長を促進する。臓器での代謝を促進する。
- 甲状腺刺激ホルモン:甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンの生成を促す。
- 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH):副腎皮質でのコルチゾールなどのホルモン分泌を促進します。過剰に分泌されると、高血圧、ムーンフェイス、中心性肥満が症状として現れます。不足すると易疲労、体重減少、食欲不振になります。
このホルモンは採血で大失敗したことがあり、個人的に忘れられないホルモンです。副腎皮質刺激ホルモンは、日内変動があるため早朝に動き出す前に採血をしなくてはいけません。また、採血後は冷蔵庫に入れて保管する必要があるものでしたが、それを知らずに常温で保管してしまいました。結果、正確な結果が得られず再検査となってしまい、患者さんには痛い思いを2回もさせてしまいました。
副腎皮質刺激ホルモンは、分泌が少ないと疲れやすく、食欲も低下してしまいます。易疲労で元気がない患者さんを見て、医師が指示を入れていたのですが、そんな時に本当に申し訳ない気持ちになりました。そんなことがあったので、このホルモンは今後も忘れないと思います。
- 性腺刺激ホルモン:生殖器官を刺激し精子・卵子、性ホルモンの生成を促進する。
- プロラクチン:乳汁の生成を促進する。
後葉から分泌されるホルモン
- 抗利尿ホルモン(バソプレシン)
- オキシトシン(射乳ホルモン)
覚え方
ばか!尿出さないで!沖に一緒に行こうよう!
- ばか:バソプレシン
- 尿出さないで:抗利尿ホルモン
- 沖に:オキシトシン
- 一緒に(いっしょに)→しょに→しゃにゅう→射乳(分かりにくいですね;;)
- 行こうよう:後葉
ホルモンの働き
- 抗利尿ホルモン:利尿を妨げる。血管を収縮させて血圧を上げる。
- オキシトシン:乳汁を排出させる(射乳)
プロラクチンとオキシトシン
プロラクチンは催乳ホルモンで、オキシトシンは射乳ホルモンです。これも混ざりやすい部分ですが、看護師国家試験には出ていたので出題しやすい部分かもしれません。前葉・後葉どちらから分泌されているか、また作用は何か、しっかり覚えたいところです。
プロラクチンのキーワード
- 乳汁分泌作用:女性は分娩後、乳児の母乳吸引刺激によってプロラクチンの分泌量が増え、乳汁分泌を促進します。
- 高プロラクチン血症:男性でも女性乳房化が起きます。また、性欲減退、勃起不全の症状が現れることがあります。
- 高プロラクチン血症は、抗精神病薬の副作用の一つです。それとつなげて覚えると覚えやすいかもしれませんね。
覚え方
プロが全部集めるから楽チン!
- プロ、楽チン:プロラクチン
- 全部:前葉
- 集める:乳を集めてるイメージ(乳汁分泌)
国試の時はこれを覚えて乗り切りました(^^)
オキシトシンのキーワード
- オキシトシンは出産後の女性において、乳腺を収縮させて、射乳を促す働きがあります。
- 分娩の時に放出されることで、子宮を収縮させて分娩を促進させるホルモンとしても知られています。そのため、子宮収縮薬、陣痛促進薬として使用されています。
- 「愛情ホルモン」とも呼ばれ、鎮痛、不安の軽減、他者への信頼関係にも関係があるそうです。タッチケアと呼ばれる、優しく触られることで分泌が促進されるそうです。
覚え方
- 後方:下垂体後葉ホルモン
- 沖縄:オキシトシン忘れた時用
- 発射:射乳
下垂体の位置と前葉・後葉それぞれのホルモンについて、語呂を使いながら覚えられたらと思います。今日もお疲れ様でした。