公認心理師試験対策!過去問に出題あり!労働三法について(労働基準法・労働組合法・労働関係調整法)
こんにちは。今日は産業・労働分野について理解を深めたいと思います。まずは労働三法から!
労働三法
- 労働基準法(1947年制定)
- 労働組合法(1949年改正)
- 労働関係調整法(1946年制定)
労働基準法について
労働条件の最低基準を定めた法律
- 何について規定しているか:賃金、労働時間、休憩、休日、時間外・休日労働、深夜労働、年次有給休暇、解雇の制限など
- 理念:労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を満たすべきもとでなければならない
覚えたいこと
- 労働協約:使用者と労働組合によって結ばれる。その会社においての労働時間等の労働条件を定められる。
- 就業規則:常時10人以上の労働者を使用する使用者に作成が義務付けられている。
- 労働契約:労働者が労働し、それに対して使用者が賃金を払う契約のこと。契約内容は、契約を結ぶもの同士で自由に決めることが前提。労働契約には契約期間を定めるものと定めないものがあり、一般的に定めないものを正社員、定めがある場合を契約社員やパート社員、アルバイトと呼びます。
- 労使協定(36協定):これを結ばないと、時間外労働・休日労働は認められません。使用者が労働者に時間外労働をさせる場合、労使協定を結び、それを労働基準監督署長に届け出なければいけません。そうすれば、時間外労働・休日労働が認められます。労基法36条に規定されているため、36協定(サブロク協定)と呼ばれています。
※これらの効力の優先順位は、労働基準法、労働協約、就業規則、労働契約の順です。
時間外労働・休日労働が認められる場合(サブロク協定を結ばないと基本的に時間外勤務はできません)
1、非常災害の時
2、公務のため臨時の必要がある場合(公務員)
3、労使協定を結び労働基準監督署長に届け出た場合
労働者・使用者とは?
労働組合法について
労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進し、労働者の地位の向上を図ることを目的とした法律。
- 何について規定しているか:労働三権(団結権、団体交渉権、争議権)、労働組合、不当労働行為、労働協約、労働委員会等
- 労働組合法は、労働組合に対し、使用者との間で「労働協約」(労働基準法の章を参照)を締結する権能を認めるとともに、使用者が労働組合及び労働組合員に対して不利益な取扱いをすることなどを「不当労働行為」として禁止しています。
労働組合とは?
労働組合は「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体」です。労働者が団結して、賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るためにつくります。
労働組合は、労働者が複数人集えば自由に結成することが可能で、行政機関の認可や届出なども必要ありません。
労働委員会とは?
使用者と労働者間の紛争が当事者だけて解決しない場合に、解決にあたる公平な第三者機関として労働委員会が設けられています。
各都道府県に都道府県労働委員会、また国の機関として中央労働委員会が設けられています。(例:東京都労働委員会:https://www.toroui.metro.tokyo.lg.jp)
労働委員会は、労働組合法及び労働関係調整法に定められた権限を、国や都道府県から独立して行うものとされています。
労働関係調整法について
労働関係の公正な調整を図り、労働争議の予防または解決を目的とする法律。
- 何について規定しているか:労働委員会の調整方法(斡旋・調停・仲裁・緊急調停)、争議行為の制限・禁止
- 労働争議とは、いわゆるストライキのことです。それによって、社会生活に影響を与えるような場合、労働委員会の介入(斡旋・調停等)を行うことを規定しています。
以下、具体例です。
労働者と使用者が賃金のベースアップなど労働関係について話し合いをしたが、意見が食い違ってまとまらず、どちらかが実力行使で主張を通そうとした。そのことにより、業務が滞ってしまっている状態が長引くと双方に支障がでることもあり、そのようなときに労働委員会が労使の間に立って調整の役割を果たすことを定めているものである。
労働関係調整法.月刊総務オンライン.https://www.g-soumu.com/dictionary/ct05/cat40/cat133/より引用
<参考資料>
・公認心理師現任者講習会テキスト[2019年版].一般財団法人日本心理研修センター.株式会社金剛出版発行.2019年2月第2刷
・2019年度版みんなが欲しかった!社労士合格へのはじめの一歩.貫場恵子.TAC株式会社出版事業部発行.2018年8月初版第1刷.
・労働組合/労働委員会.厚生労働省.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/roudoukumiai/index.html
・労働関係調整法.Wikipedia.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/労働関係調整法