子どものつらい気持ちを聞くコツ:TALKの原則を活用して
はじめに
子どもがつらい気持ちを抱えているとき、親や周りのサポートすることはとても重要です。
ただ、子どもたちは自分の気持ちをうまく表現できないことも多く、話を聞く側としてのスキルが求められます。
もし、「死にたい」と言われたら、驚いてしまうと思います。ただ、子どもは信頼関係のない人間関係では、心のSOSは出せません。あなただから話してくれたのです。
そうした時に、TALKの原則を使って話を聞くことで、子どものつらさに寄り添いながら、対応について考えられるかもしれません。
TALKの原則とは?
- T(Tell) – 心配していることを伝える
- 子どもが抱えている不安やつらい気持ちを、無理に引き出そうとせず、自然に言葉にさせるよう促します。「最近、何か悩んでいることがある?」と優しく聞いてみましょう。直接的な質問よりも、子どもが話しやすい雰囲気を作ることが大切です。
- A(Ask) – つらい気持ちについて率直に尋ねる
- もしかして、「死にたい」と思うことがあるのか、率直に聞いてみます。聞いて良いのか迷うかもしれませんが、聞かれた方は、話しても良いことだと思って、気持ちを話しやすくなります。
- L(Listen) – 傾聴する
- 子どもが話している間は、しっかりと耳を傾け、話の途中で遮らずに最後まで聞きます。相槌や「そうだったんだね」という共感の言葉を挟むことで、子どもが安心して話を続けられるようにします。表情や姿勢にも気をつけ、真剣に向き合う姿勢を示しましょう。
- 「話してくれてありがとう」と勇気をもって話してくれたことに、肯定的なフィードバックをすることも大切です。
- K(Keep Safe) – 安全を確保する
- 話を聞いた人がすべての責任を負う必要なありません。信頼できる人や専門家に相談し、一人で抱えないようにしましょう。
- 刃物や薬など、子どもを傷つける可能性のあるものはなるべく遠ざけましょう。
- ひとりきりにしないよう、周りの大人と協力して、安全を確保します。
- 必要があれば、医療機関につなげることも大事です。
実際にTALKの原則を使ってみよう
例えば、子どもが学校でのいじめや家庭での問題でつらい気持ちを抱えている場合、次のようにTALKの原則を適用して対応できます。
- T(心配していることを伝える):「もしかして、最近、眠れてない?心配してるよ」など
- A(つらい気持ちについて率直に尋ねる):「もしかして、死にたいって思ってる?」「消えたいって思う?」「死にたいくらいつらい?」など
- L(傾聴する):うなづきながら、子どもの話を遮らないように注意する。自分の意見を言う前に、つらい気持ちに寄り添う。
- K(安全を確保する):もしも子どもが自殺を考えている様子があれば、すぐに専門家や信頼できる大人に相談し、安全を確保する行動を取る。
まとめ
子どもたちがつらい気持ちを抱えているとき、誰にも言えず一人で抱えることも多いのではと思います。
そんな時、もしかしたらどこかでSOSを出してくれているかもしれません。私たちにできることとして、TALKの原則を思い出して、落ち着いて対応できたらと思います。