新型コロナのワクチン 日本に供給予定のものについて。mRNAワクチンとは?効果はどのくらい?

新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、勉強したものを2021年1月25日現在分かっている事についてまとめたいと思います。

信頼のできるソースから集めましたが、もし誤りがありましたらお知らせ下さい。

日本に供給予定のワクチンについて

正式契約を締結したもの

  • モデルナ社(米国):約5000万回分
  • アストラゼネカ社(英国):約1億2000万回分

協議・合意が公表されているもの

  • ファイザー社(米国):約1億2000万回分

国内生産が計画されているもの

  • ノババックス社(米国):武田薬品工業株式会社が提携して国内でワクチン生産を予定。約2.5億回分生産する体制整備を図る(年間)

それぞれのワクチンの概要

ファイザー社

  • mRNAワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)
  • 細胞性免疫・液性免疫を誘導でき、免疫力が強い
  • 発症の予防に95%の有効性
  • 有効性は年齢、性別、人種・民族間で一貫している。
  • 重大な安全性の懸念は認められず
  • 有害事象で頻度が2%を超えるものは、疲労3.8%、頭痛2.0%で2日以内に回復した

モデルナ社

  • mRNAワクチン
  • 細胞性免疫・液性免疫を誘導でき、免疫力が強い
  • 発症の予防に94.5%の有効性
  • 重大な安全性の懸念は認められず
  • 有害事象は2回目接種後の倦怠感9.7%、筋肉痛8.9%、関節痛5.2%、頭痛4.5%、痛み4.1%

アストラゼネカ社

  • ウイルスベクターワクチン
  • 細胞性免疫・液性免疫を誘導でき、免疫力が強い
  • 発症の予防に約70%の有効性
  • 重大な安全性の懸念は認められず

mRNAワクチンって何?(メッセンジャーRNA)

感染症予防のワクチンは従来、ウイルス等の病原体を弱毒化・不活化して作られていましたが、病原体そのものに由来するため安全性の懸念が完全には払拭できませんでした。また開発・製造に多大な時間がかかるという問題点があり、パンデミックに素早く対応するには不向きでした。近年、ウイルスの遺伝情報の解読が容易になったこともあり、遺伝情報に基づいてワクチンを設計する「遺伝子ワクチン」と呼ばれるワクチンの研究開発が盛んになってきました。遺伝子ワクチンにはウイルスベクターワクチン、DNAワクチン、mRNAワクチンがあり、安全で期待されているのがmRNAワクチンです。mRNAワクチンはインフルエンザやジカ熱などのウイルスに対して研究されて来ましたが、今年に入り新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに対して、その有効性が証明されました。

これまでに実用化の実績がなかったまったく新しい創薬技術であるmRNA医薬ではありましたが、COVID-19というパンデミックへの対応が図らずもmRNAワクチンの優位性を証明する結果となりました。

https://www.nanocarrier.co.jp/special/%E3%80%90%E7%89%B9%E9%9B%86%E3%80%91mrna%E5%8C%BB%E8%96%AC%E3%81%8C%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B/より引用

従来の生ワクチンは、上記の新型コロナワクチンと同様、細胞性免疫・液性免疫を誘導でき、強い免疫力がつくことがメリットとして挙げられますが、開発には時間がかかります。また、不活化ワクチンは、液性免疫しか誘導できないことが多く、得られる免疫が弱い・持続時間が短いと言うデメリットがありました。

mRNAワクチンをはじめとする遺伝子ワクチン(核酸ワクチン)は、細胞性免疫・液性免疫の両方を誘導できるため得られる免疫力が強いと言う特徴があります。

ウイルスベクターワクチンとは?

ベクターと言う運び屋に、抗原タンパク質の遺伝子を組み込んだものです。

こちらも細胞性免疫と液性免疫を誘導するため、得られる免疫が強いと言われています。

デメリットとしては、1回接種するとベクターへの抗体ができるため2回目の投与が難しくなると言われています。過去には、エボラウイルスのワクチンが同じ仕組みで作られました。

ちなみに…

生ワクチンはロタウイルスワクチン、BCG(結核)等、不活化ウイルスはインフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチン等があります。

発症予防が95%の有効性ってどういうこと?

たとえば、1000人のグループを2つ作るとします。片方のグループはプラセボを、もう片方のグループにワクチンを接種した時に、プラセボ接種グループが感染症を100人発症し、ワクチン接種グループの感染症の発症者が5人の場合、発症予防が95%と言うことです。

インフルエンザワクチンでは、発症予防効果は20〜60%と言われていることを考えると、予防効果が高いと言えるそうです。

ワクチンの効果について

臨床試験(治験)等で評価を行うことができるもの
  • 発症予防効果…発症者が減少。接種者と非接種者を比較することで効果を測定できる。
  • 重症化予防効果…重症患者が減少。
大規模な接種後まで分からないもの
  • 集団免疫効果…接種していない人にも波及する予防効果。「接種した人が増えると、接種していない人でも発症者が減少する」ことで実証される。
実証が難しいもの
  • 感染予防効果…接種した人が感染しないこと。発症しない感染者が多数存在する新型コロナでは、実証はほぼ不可能と言われている。

<参考資料>

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