第3回公認心理師試験の難易度とGルートの看護職が解いてみた感想
第3回公認心理師試験が12月20日に終わりました。
私は試験を解きながら、知らない単語が次々に出てきて「もう今回はダメかもしれない…」と何回も挫けそうになりました。自信を持って答えられた問題の方が少なかったです。
できなかった問題の方が印象に残る!できてる問題もあるはず?これは…ツァイガルニク効果だ!と自分を励ましながら(笑)最後まで問題を解けるよう頑張りました。
昨年までとは出題傾向が変わっていたと感じましたが、実際難易度はどうだったのでしょうか?難易度の割合について、プロロゴスさんが12月21日に公表してくださった速報を元に作成してみました。
回答と難易度、プロロゴスさんのコメントについてはこちらから見られます。
- 基本を押さえれば47%はとれる?
- 事例問題は解きやすかった?
プロロゴスさんの分類によると、難易度★は全体の47%、難易度★★は27%、難易度★★★(難問)は26%だったようです。
難しい試験に感じましたが、半分は難易度★の基本的な問題だったようです。また、事例は難易度★★★が少なく比較的解きやすかったのかもしれません。
難易度★★★の難問は全体の26%あり、糖尿病や甲状腺機能低下症、サーカディアンリズム、医療機関へのリファー、薬物動態、脳の構造と機能、睡眠薬の種類など、医療系の問題がこちらに分類されていることが多い印象でした。
また、統計の問題も含まれていました。現任者テキスト・必携テキストは読んだつもりですが、知らない単語が出てきて焦りました。博士号をもつ知人に見てもらったところ、院卒の方は解ける問題と言っていました…学士のみの私では難しそうです。使用したテキストだけでは難しいと感じました。
試験を終えて思ったこと
- とにかく文字が多い。読むのに時間がかかった。
問題を開いた瞬間から文字数が多いと感じました。最初の頃の問題から読むのが大変でした。第1回、第2回と比べると、文字数がかなり増えたのではないでしょうか。
昔から問題を読むのだけは早く、早く解き終わったら退室したいと考えていましたが、午前中の問題は20分残しでやっと解き終わりました。残りの20分でマークミスがないか急いで確認しました。もう少し早く終わるかと思っていましたが、予想外に時間がかかってしまいました。
試験開始から1時間後は退室できるようになるのですが、私の教室では誰も退室していませんでした。
来年はどうなるかは分かりませんが、文章を読むのに時間がかかりそうな方は、知らない問題は早く見切りをつけるようにするなど対策は必要かもしれません。
- やっぱり過去問が大事だと思った。
過去に出題された問題そのままは出ていませんでしたが、過去に出題されていた問題と関連した問題もありました。過去問をベースに知識を定着していけば、解き方が分かってくると思います。見たことはあっても、説明できない、2択まで絞り込めたけど決め手にかける、そんな問題が減るのではと思います。
第2回試験と出題傾向は変わった印象がありましたが、出題されるだろうと思っていた問題は変わらず出ていました。認知バイアス・向精神病薬は必ず出ると思っていましたがやはり出題されました。(認知バイアスは間違ってしまいましたが…)
私は過去問は3回ずつは解きましたが、問題と選択肢に出ていた単語以外を深く学習することが足りていなかったかなと反省しました。それをしていれば、特に苦手な基礎心理学でもう少し点数が取れたと思います。
- 問題をたくさん解く練習をした方がいいと思った。
今年は出題傾向が変わり、言い回しも変わった印象がありました。過去問は大事ですが、もっとたくさん問題を解く機会があると良いと感じました。
11月15日に、LECの公認心理師 直前駆け込み生講義に参加させていただき、用意して頂いた臨床心理士・精神保健福祉士・言語聴覚士の試験問題をひたすら解く機会がありました。
公認心理師の過去問とは違う出題の仕方でしたが、今回の試験にも似たような問題が出題されていたように思います。公認心理師の過去問を解いた上で…ですが、たくさん解いておくと問題の解き方や、単語の言い換えに対応できるようになると思います。
- 法律系が苦手な方は精神保健福祉士の試験問題
- 心理検査が苦手な方は臨床心理士の試験問題
- 発達や精神疾患が苦手な方は言語聴覚士の試験問題
を解かれることをおすすめします。
私は、講義の後にもう一度問題を解き直しましたが言語聴覚士の問題まで手が回らず、疎かになってしまいました。時間を戻せるなら、解いておきたいです。
- 医療系の問題が多いと感じた。
慢性疲労性症候群、摂食障害、甲状腺機能低下症など、臨床像を知っていないと解けない問題が多いと感じました。心療内科が対象となりそうな疾患、メンタル不調と間違われやすい、甲状腺・副腎の疾患は押さえておいたほうがよさそうだと感じました。
試験前、医療系で働く人は知識があるから困らないでしょ?と聞かれることはありましたがそんなこともないと思います。
確かにイメージはしやすいですが、見た事・聞いたことがあることと知識は別だと思います。要点を押さえて勉強することは必要だと感じました。
脳の第一次運動野の問題は難しすぎて分からなかったです…。
また、向精神薬に関する知識を問われる問題も多かったなと感じました。糖尿病の問題も、非定型抗精神病薬の知識(副作用に血糖値上昇があり、糖尿病に禁忌の薬あり)があると選べましたし、高齢者が副作用が出にくい睡眠薬についての問題も、睡眠薬の種類について知っていれば答えられた問題でした。(オレキシン受容体拮抗薬、メラトニン受容体作動薬、ベンゾジアゼピン受容体作動薬、バルビツール酸系薬剤)
おわりに
結果はまだ分かりませんが、とにかく試験が終わってほっとしています。
勉強を始める前に解いた過去問は、5割とれないくらいの点数でしたが、今回は解答速報で採点すると7割くらいでした。結果が出るまで合否は分かりませんが、試験終了までやりきった経験はこれからの糧になりそうです。
出題傾向が変わり、難しいと感じましたが、難易度をみると過去問を勉強していたら押さえられた問題も多いのでしょうか。
解いていると難しさ・聞いたことのない単語が目立ってしまい、簡単さは全くしませんでしたが、試験中はそう感じるのも無理はないのかもしれません。改めて、今後も過去問を掘り下げて勉強することは大事だと思いました。自分の課題も見えたのと、統計の問題は歯が立たなかったのが悔しいので勉強しなおそうと思います。試験はともかく、自分のために。
また、今回SNSで受験生の方とつながれて、同じ目標に向かって勉強できたことがとても楽しく、嬉しい経験でした。職域を超えて学ぶことってとても楽しいですね。
Gルートは無学者、などと言われて落ち込むこともありましたが、そんな時に一緒に学んでいる方の励ましや意欲が心の支えになりました。
このような経験ができたことが財産になりました。改めて感謝申し上げます。