公認心理師試験対策!家族療法②(構造学派・行動学派・ナラティブ学派)とキーワードまとめ
家族療法のキーワード
- 家族療法は、システム理論の影響を受け、家族を1つのシステムとして捉える視点を持つ。
- ベイトソンによって上記の視点が取り入れられたことを契機に、システム論的家族療法として発展した。
- 教育分野、産業分野、司法分野、福祉分野など様々な分野で活かされている。
- 解放システム:生物のシステムは階層式に連なっており、あるシステムの中にはさらにサブシステムがあり、お互いに影響を及ぼし合っている。
- 円環的因果律:家族のメンバーは円環的に影響を与え合う
- IP(identified patient):患者とみなされる人。家族の問題を症状として表現していると捉えられる。
- リフレーミング:家族の心理的問題について、文脈や意味を変えるための技法。ある枠組み(フレーム)に捉えられていることを、別の視点から見られるようにアプローチする。
- ジェノグラム:家系図。3世代について書くように勧められている。ジェノグラムを書くことで、多世代を整理することができ、問題の理解の促進につながったり、介入方法を考えることができる。
構造学派
ミニューチンを中心に発展した理論。
家族のシステムを重視し、そのシステムに療法家が溶け込むジョイニングの過程を重視した。
また、「境界と連合」と言う視点で家族を捉えた。
- 境界:システムやサブシステムを区切るための概念。
- 連合:家族システムのなかで誰かに対抗するために二者が共同すること。
ミニューチンは、特に母子の共生的サブシステムを解体して、新たに両親の間に連合関係を作ることが治療に有効だと述べている。
健康な家族は、夫婦連合が強力で、世代間に明瞭な境界があり、かつ柔軟性のある家族だと言われている。
行動学派
行動療法の原理を使って、夫婦や家族が抱える心理的な問題を解決しようとするアプローチ。
最近では認知行動療法の原理を用いた夫婦・家族療法も発展しつつある。アサーション訓練も取り入れられている。
社会的ネットワーク学派
核家族を、それを取り巻くネットワークやコミュニティのサブシステムとして分析する。
核家族内部の相互作用の他に、拡大家族や親類、友人、職場等、IPと関係のある人々との関係を考察してシステムを分析して、介入の戦略を立てる。
ナラティブ学派
ホワイトらによって創始された新しいアプローチ。
人が現実だと信じているものは、実は心理的に構成され、社会的に構築されたものという考えをベースにしている。
人がそれぞれの体験から、家族内で自分の物語として作りあげたストーリーを、積極的な問題解決につながる代わりのストーリーに書き換えることを手助けする。
<参考文献>
- 心理療法ハンドブック.乾吉佑編.株式会社創元社発行.2016年8月第1版第8刷発行.
- 公認心理師必携テキスト.福島哲夫編集.株式会社学研メディカル秀潤社発行.2018年5月.初版第4刷.