統合失調症について
こんにちは。今日は統合失調症についてまとめたいと思います。統合失調症は、まだ明らかになっていないことも多々あります。
代表的な症状はいくつかありますが、自閉症状と連合障害(認知障害)を基礎疾患とする症候群である可能性があると言われています。
権威と呼ばれる人物
- エミール・クレペリン:単一とされていた精神病をクレペリンが「早発性痴呆」と「躁うつ病」分類し、他と区別した。それぞれ、現在では統合失調症、双極性障害とされている。
- オイゲン・ブロイラー:クレペリンの提唱した早発性痴呆を改名し、スキゾフレニア(統合失調症)とした。連合弛緩、感情障害、自閉、両価性の4つの基本症状をあげた。特に連合弛緩を重視した。幻覚や妄想は症状として現れないこともあるため、副症状と呼んだ。
- クルト・シュナイダー:シュナイダーの一級症状と呼ばれるリストを作成した。
シュナイダーの一級症状
- 思考化声
- 論声が聞こえる
- その人の行動に対して意見や批判が聞こえる
- 身体に影響を与えられている体験
- 思考が打ち消される
- 他人の思考が押し付けられ、自分の思考に影響を受ける
- 思考流出(思考が他者に伝わっている)
- 妄想的知覚
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/クルト・シュナイダー より引用
※「思考途絶(連合障害)」と「思考化声(自生思考)」は、統合失調症で進発する症状として3者に共通して述べられています。
統合失調症の症状
- 幻覚妄想:自分を悪く評価し言動に命令する幻声、何者かから注目を浴び迫害を受けると言う被害妄想
- 自我障害:自生思考、作為体験など思考や行動などにおける能動感と自他境界感の喪失
- 不統合:まとまりのない会話や行動など目標に向けて思考や行動を統合することの障害
- 精神運動貧困:感情鈍麻、意欲低下、自発性低下など狭義の陰性症状
- 病識障害:症状についての自己認識困難
統合失調症の統計(世界)
- 生涯罹患率:0.3〜2%
- 時点有病率:0.19〜1%
- 1年間の新たな発症:人口10万人あたり15人
- 発症時期:10代後半〜30代
- 男女差:男性:女性=1.4:1 男性に多いとされる。
原因として考えられていること
根本的な原因はまだ不明ですが、以下のことが考えられています。
- 遺伝
- 神経伝達物質のバランスが崩れる(脳の代謝異常)
- ストレス
ダブルバインド
グレゴリー・ベイトソンが提唱した。二重拘束理論とも呼ばれ、統合失調的な反応パターンが形成されやすいとされている。
家族間のコミュニケーションで、矛盾するメッセージを交互に受け手に発し、化つ受け手は逃げられない状況でそれを繰り返し体験することで、相手の気持ちを識別することが困難になる。そして以下のような反応が現れる。
- 言葉に表されていない意味にばかり偏執する(妄想型)
- 言葉の文字通りの意味にしか反応しなくなる(破瓜型:はかがた)
- コミュニケーションそのものから逃避する(緊張型)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ダブルバインドより
例えば、スーパーのお菓子売り場で、「なんでも好きなお菓子を買ってあげる。好きなのを選んでいいよ」と言われたので、好きなお菓子を選んだら「これじゃダメでしょ」と怒られることや、「こっちにおいで」と言われたから側に行ったら突き飛ばされるなど、矛盾したコミュニケーションが挙げられます。
このように、同じ人物から異なったメッセージがあったら、受け手としては混乱してしまいますよね。
このようなコミュニケーションのパターンが、上記のような反応が生じ、家庭内だけでなく、社会でも起こってしまいます。
統合失調症の患者さんの家族に当てはまるかまでは研究されていませんが、統合失調的なパターンが形成されやすいことは頭に入れておきたい点です。
<参考資料>
- みんなのメンタルヘルス.統合失調症.厚生労働省.https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_into.html
- 公認心理師試験これ一冊で!最後の肢別ドリル.辰巳法律研究所発行.2018年8月