公認心理師試験対策!少年法について

こんにちは。

最近少年法の改正が話題になっていますね。まだ決定はされていませんが、今後の動向はチェックしなくてはと思います。今日は、少年法の基本についてまとめていきたいと思います。

少年法とは

  • 目的:「少年の健全な育成を期し」、刑事事件とは違って刑罰ではなく、あくまでも保護が目的
  • 対象:満20歳未満の者

非行少年の区別

  • 犯罪少年:14歳以上20歳未満で罪を犯した少年
  • 触法少年:14歳未満で罪を犯した少年
  • ぐ犯少年:20歳未満で将来罪を犯す恐れのある少年
注意!!
  • 児童福祉法上の児童は「18歳未満」
  • 民法上の成人は「20歳以上」しかし、2022年4月1日からは「18歳以上」に引き下げ

非行少年の少年院送致と刑事責任について

(参考資料:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/少年法)

  • 少年院送致は、「おおむね12歳」以上とされる。少年院送致される可能性があるのは、11歳以上
  • 14歳未満の非行少年は、刑罰を受けることはありません。
  • 14歳以上の少年は、禁固刑以上の罪の場合、家庭裁判所より検察官に送致されることがある。(逆送)
  • さらに、16歳以上の少年は、被害者が死亡した故意犯については原則として逆送することになっています。(原則検察官送致制度)
  • 「児童の権利に関する条約37条」によって、18歳未満の死刑は禁止とされています。日本はこれを批准しているため、18歳未満の非行少年には死刑の判決を下すことはできません。
http://www.moj.go.jp/content/001314606.pdf

用語の整理

全件送致主義

成人の刑事事件とは異なり、少年事件は非行事実が存在する場合は、軽微なものであっても必ず家庭裁判所に送致する。14歳未満の非行少年(触法少年とぐ犯少年)は家庭裁判所より児童相談所に送られる必要がある。

原則検察官送致制度

16歳以上の少年で、故意に被害者を死亡させた場合は、原則として事件を検察官に送致する。

観護措置

心身の鑑別の必要がある場合に少年鑑別所に収容される。

鑑別とは…

医学,心理学,教育学,社会学などの専門的知識や技術に基づき,鑑別対象者について,その非行等に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上,その事情の改善に寄与するため,適切な指針を示すことです。

http://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei_kyouse06.html
少年鑑別所

少年鑑別所法に基づいた業務を行なっている。技官と教官等の専門職が配置されている。期間は、最長4週間ですが、一定の事件で証拠調べが必要な場合は最長8週間まで更新することができます。

  1. 鑑別対象者の鑑別を行うこと
  2. 健全な育成のための支援を含む観護処遇を行うこと
  3. 地域社会における非行及び犯罪の防止に関する援助を行うこと

http://www.moj.go.jp/content/001314606.pdf
保護処分

保護観察、児童自立支援施設等送致、少年院送致

少年全員、自立支援してるか観察すること!

  • 少年全員:少年院
  • 自立支援:児童自立支援施設
  • 観察:保護観察
1、保護観察とは…

非行少年が社会の中で更生するように,保護観察官及び保護司による指導と支援を行うものです。刑務所等の矯正施設で行われる施設内での処遇に対し、施設外である社会の中で処遇を行うものであることから「社会内処遇」と言われています。

http://www.moj.go.jp/content/001314606.pdf

保護監察官保護司と協働して業務にあたっています。

法務省のホームページを見ると保護司は「法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員(実質的に民間のボランティア)」と記載があります。ボランティア、とだけ覚えてしまうと国家公務員か問われた時に間違える可能性もあるので、頭の隅に置いておきたいと感じました。

改善更生を図ることを目的として、以下の指導と支援が行われます。

保護観察で今問題になっていること(協力雇用主の不足等)について法務省のホームページに詳しく載っているので、良かったら見てみてください。

http://www.moj.go.jp/hisho/seisakuhyouka/hisho04_00040.html

2、児童自立支援施設とは…

個々の児童の状況に合わせて必要な指導をおこない、自立を支援する目的の施設です。不良行為をなした者、またはなすおそれがある児童、家庭環境等の理由により生活指導を要する児童が対象となります。※児童養護施設とは対象者が異なります。

入所した児童は、家庭的な寮舎で、保護者に代わる専任職員と寝食をともにしながら生活します。小中学校は、施設内にある学校に通い、高校生は一般の高校に進学する子もいれば、施設内の高校に通う子もいます。

明治時代から作られ、「感化院」「少年教護院」「教護院」と名前を変えて来ましたが、H10年の児童福祉法の一部改正により、「児童自立支援施設」に統一されました。

3、少年院とは…

健全な育成をはかることを目的として矯正教育、社会復帰支援などを行う法務省管轄の施設。全国に52箇所設置されている。

  • 第一種少年院:心身に著しい障害がない12~23歳未満の者を収容する。(旧法の初等少年院、中等少年院に相当)
  • 第二種少年院:心身に著しい障害がない犯罪傾向が進んだ16~23歳未満の者を収容する。(旧法の特別少年院に相当)
  • 第三種少年院:心身に著しい障害がある12~26歳未満の者を収容する。(旧法の医療少年院に相当)
  • 第四種少年院:刑の執行を受けるものを収容する。
http://www.moj.go.jp/content/001314606.pdf

<参考文献>

  • 令和元年版犯罪白書.http://www.moj.go.jp/content/001314606.pdf
  • 公認心理師現任者講習会テキスト[2019年版].一般財団法人日本心理研修センター監修.株式会社金剛出版発行.2019年2月15日.2019年版第2刷.
  • 保護監察官とは.法務省.http://www.moj.go.jp/hisho/seisakuhyouka/hisho04_00040.html

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