公認心理師試験対策!抗不安薬と睡眠薬について
こんにちは。今日は抗不安薬と睡眠薬について書きたいと思います。この二つは、どちらもベンゾジアゼピン系の薬が大半を占めるため、一緒にまとめようと思います。現任者講習会テキストでも同じ括りになっていましたね。
抗不安薬について
抗不安薬は、ベンゾジアゼピン系か、そうでないものかで大きく分かれています。睡眠薬も大きく分けるとこの括りになります。
ベンゾジアゼピン系は、神経細胞のベンゾジアゼピン受容体と結合してGABAの働きを強めることによって作用すると考えられています。そのため、作用機序に「GABA」が出てきます。
GABAとは?
γ−アミノ酪酸の一つで、抑制性の神経伝達物質として働き、神経細胞の活動性を低下させます。鎮静、抗痙攣、抗不安作用があります。
GABAは血液脳関門(BBB)を通過しない物質と言われており、経口摂取のサプリメントや食品等の効果が議論されることもあるようです。しかし、経口摂取により自律神経系に作用し、リラクセーション効果を有する可能性を示唆する研究も発表されています。(GABA傾向摂取による自律神経活動の活性化.藤林真美.日本栄養・食糧学会誌.2008年.第61巻第3号.p129−133)
GABAチョコも有名ですね。夜に食べて寝ると、リラックスしてゆっくり眠れるそうです。
簡単に考えると、ベンゾジアゼピン系はGABAを介して不安を抑える薬で、非ベンゾジアゼピン系の抗不安薬はセロトニンを介して不安を抑える薬です。
睡眠薬について
ベンゾジアゼピン系の薬理学的機序は抗不安薬と同じです。
睡眠薬の非ベンゾジアゼピン系の薬で注目したいのは、ロゼレム®️とベルソムラです。
ベンゾジアゼピン系は、催眠作用を利用して眠りを誘導しますが、この2種類は体のシステムを利用して眠りを誘導します。そのため、ベンゾジアゼピン系で見られるような、ふらつきやリバウンド性の不眠と言った副作用が少ないお薬です。
ロゼレム®️、ベルソムラ®️以外の非ベンゾジアゼピン系の薬は、作用機序、有効性、副作用についてはベンゾジアゼピン系に類似していると言われています。
画像:https://www.qlife.jp/meds/rx40006.htmlより引用
睡眠薬の使い分け
睡眠薬は、半減期によって作用時間が超短時間から長時間に分けられています。
不眠の種類によって、使い分けることが大切です。
睡眠薬のやめ方
睡眠薬や、安全に使えば便利なお薬ですが、依存や耐性も形成しやすいので、それを防ぐためには、長期投与を避けることが大切です。やめ方にも方法があります。
睡眠薬と抗不安薬のちがい
両方とも、ベンゾジアゼピン系の薬が大半です。薬理学的な作用機序は同じですが、抗不安作用、催眠・鎮静作用、高痙攣薬、筋弛緩作用がそれぞれの薬でどのように発揮されるか、その度合いによって睡眠薬か抗不安薬か分類されているそうです。
副作用
<参考文献>
・精神医学マイテキスト.武田雅俊監修.株式会社金芳堂発行.2014年4月改定第2版第1刷.
・公認心理師現任者講習会テキスト[2019年版].一般財団法人日本心理研修センター.株式会社金剛出版発行.2019年2月第2刷
・精神科の薬がわかる本.第2版第1刷.医学書院発行.2011年6月
・看護の現場ですぐに役立つくすりの基本.第1版第1刷.株式会社秀和システム発行.2016年8月
・おくすり110番