公認心理師試験対策!感染症について

今日は、「心身機能と身体構造および様々な疾病や障害」の中の、感染症について現任者講習テキストを読みながらまとめたいと思います。(現任者講習テキストP126~)

感染とは?

寄生虫、細菌、真菌、ウイルス、異常プリオンなどの病原体が体内に侵入、定着、増殖すること。

特徴
寄生虫他の生物の体外や体内に寄生し栄養を得ている。動物に分類される。
細菌単細胞生物。栄養があれば、自ら複製して増殖できる。抗生剤が有効。
ウイルス細胞を持たないため、他の細胞に入り込み、自分のコピーを作り増殖する。ウイルス単独では生存できない。細菌の50分の1程度でとても小さい。抗生剤は効かず、抗ウイルス薬が有効だが数はまだ少ない。
異常プリオン感染・増殖性のタンパク質と言われるが詳細はまだ解明されていない。クロイツフェルト・ヤコブ病などの原因となる。

1929年にペニシリンが発明されて以降、病原体に対して有効な治療法を発見することで克服する歴史を繰り返しているが、全世界では1/4の死因を占めている。

感染の種類

 感染後、症状が出現することを顕性感染と言い、感染が抗体出現で確認されても症状が出現しないものを不顕性感染と言う。

不顕性感染があり、病原体が長期間体内に留まっているものを潜在感染と言う。感染防御能が低下すると症状が出現してしまう(顕在感染)

健康な時には感染しないような病原性の弱い微生物による感染で、感染防御能が低下している場合に起きるものを日和見感染と言い、医療機関ではその予防が課題となる。(MRSA、レジオネラ肺炎、クリプトコッカス症、サイトメガロウイルス、トキソプラズマ感染症などがあります)

感染経路は以下のように分類される。

感染リスクを下げるために、日頃の衛生管理(手洗い、マスクの着用等)に留意することが必要です。

医療機関での感染対策

感染対策は、医療者自身を感染から守るだけではなく、患者を感染から守るために必須です。医療機関では、標準予防策(スタンダードプリコーション)を行っています。

標準予防策(スタンダードプリコーション)とは?

  • すべての患者を対象にする感染予防策。
  • 汗以外の体液・血液・分泌物・排泄物もすべて感染性があるとして扱う。
  • 手洗いは感染対策で最も重要な対策。水と石鹸、またはアルコール消毒液を用いて手洗いをこまめに行う。

手洗いのタイミング(WHO推奨)

  • 患者に触れる前
  • 清潔・無菌操作の前
  • 体液に暴露した可能性がある場合
  • 患者に触れた後
  • 患者周辺の物品に触れた後

主な感染症

  • 風邪:ほとんどがウイルスによるが、細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどもある。
  • インフルエンザ:インフルエンザウイルスを病原とする上気道感染症で重症化しやすい。
  • 結核:結核菌による感染症で世界人口の約1/3が罹患。開発途上国を中心に毎年800万人が発症、300万人が死亡する。単独の病原体として第一位の感染症。肺に感染することがほとんどだが、約7%が肺以外のリンパ節や臓器に感染する。日本では明治以降の産業革命による人口集中に伴い国内に蔓延し、国民病と言われていた。1951(昭和26)年に結核予防法が制定され、衛生状態改善と予防・治療の発展により罹患率は減少した。しかし、1980年代に入り減少率が鈍化し、集団感染例も見られている。日本では毎年1万5千人が発生しており、世界的に見ても少なくありません。
  • HIV/AIDS(後天性免疫不全症候群):ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染によって生じ、適切な治療を施されないと重篤な全身性免疫不全により日和見感染症悪性腫瘍を引き起こす状態を言う。近年では治療薬の開発により早期の服薬治療を受ければ免疫力を落とすことなく通常の生活を送ることが可能になった。平成 30(2018)年の新規報告数は、HIV 感染者と AIDS 患者を合わせて 1,317 件。HIV 感染者と AIDS 患者を合わせた新規報告数に占める AIDS 患者の割合は 28.6% であった。HIV 感染者の年間新規報告数は 2008 年の 1,126件をピークとし、AIDS 患者の年間新規報告数は 2013 年の 484 件をピークとし、HIV 感染者と AIDS 患者を合わせた年間新規報告数は 2013 年の 1,590 件を ピークとし、ともに横ばいからやや減少傾向となっている。 性的接触、母子感染、血液によるものが感染経路であるが、血液や体液を介しての接触がない限り、入浴やタオルの共用なども含め日常生活でHIVに感染する可能性は限りなくゼロに近い。

平成 30(2018)年エイズ発生動向 – 概 要 – 厚生労働省エイズ動向委員会 より引用

確認問題 〇×問題

  • Q1:感染症は、全世界で死因の半分を占めている。
  • Q2:細菌は、ヒトに寄生して増殖する。
  • Q3:感染は、病原体が体内に侵入、増殖することである。
  • Q4:飛沫感染は、飛沫を吸収することで起こる。
  • Q5:結核は世界的に珍しい感染症になっている。

<答え>

  • A1:× 約1/4
  • A2:× 細菌は単独で増殖できる。
  • A3:× 感染は、侵入、定着、増殖することで成立する。
  • A4:〇 
  • A5:× 

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