精神科医療に関わる方にお勧めの本
こんにちは。
今日は、精神科で看護師として働いた経験がある私が読んでみて良かった本を紹介させて頂きます。
これから精神科で働く方、興味がある学生さんにもおすすめしたい本です。
誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論 松本俊彦
松本先生は、薬物依存症治療で有名な先生です。清原和博さんと薬物依存症治療の啓蒙活動をされている方で、テレビで拝見することもあるかと思います。
以前、松本先生の講演を聴講したことがあるのですが、こんなに患者さんのことを自分のことのように理解しようとしてくれている医師がいるのかと感動してしまいました。
「わかっちゃいるけど、やめられない」依存症。
依存症を抱える本人はもちろん大変ですが、支援する立場としての困難を感じることもあり、ご本人を責める気持ちになってしまうこともありました。松本先生は、治療者でありながらも、依存症を抱える方の立場からも見ているような視点で文章を書いて下さっているので、とても分かりやすく、病気の理解を深められました。
薬物だけでなく、依存症についての理解を深められる本だと感じました。
過去の記事ですが、こちらの記事も良かったです。
依存症からの回復 社会はどう支える 啓発イベント 清原和博さん「つらいと言える環境を」 西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/497533/
死にたいに現場で向き合う 自殺予防の最前線 松本俊彦
こちらも松本先生の本です。
精神科医療に携わる方々の、実際の自殺予防について知ることができます。
印象的だったのは、薬剤師の方が積極的に自殺予防に取り組んでいる理由と、取り組まれる姿勢でした。
自分の役割を俯瞰して考えて、意識的に取り組むことの大切さを学びました。
私は看護師や保健師の仕事をしていますが、どんな職場でもそのような気持ちで心の問題に携わりたいと思いました。
自分を傷つけてしまう人のためのレスキューガイド 松本俊彦
こちらも松本先生です。
これはとにかく分かりやすかったです。医療者のみならず、苦しんでいる方に読んでほしい本です。きっと楽になる考え方を学べると思います。
自傷行為や摂食障害、依存症などに悩んでいる方がいたら、ぜひおすすめしたいです。
環状島へようこそ トラウマのポリフォニー 宮地尚子
こちらは、トラウマを抱える方と、その支援者を環状島を使って分かりやすく説明してくださる本でした。
伊藤絵美さんや斎藤環さん、そして松本俊彦さんなど、すごい方たちとの対談形式で書かれています。
支援の対象がそれぞれ異なる方が語る内容はとても学びが多かったです。
相模原事件はなぜ起きたのか 保安処分としての措置入院 井原裕
こちらは精神科医の井原裕先生が書かれた本です。
文字数は多いのですが、勢いのある文章で、思ったより早く読み進めてしまいました。そして攻めた文章を書く方なのだなぁと感じました。
井原先生の本はこちらも読んでみたいと思っています。
まだ書ききれないので、後ほど書き足したいと思います。